メール共有システムの企業導入事例

導入事例

ハードウェアを含めた統合的な
カスタマイズで可用性を実現
24時間365日体制のシステム
監視・運用を
支えるメールシステムへ

さくらインターネット株式会社様は、レンタルサーバーや専用サーバー、VPS(仮想プライベートサーバー)などを中心としたデータセンターサービスの提供を主な事業としている会社です。近年ではクラウドサービスや次世代データセンターの建設といった取り組みにも注力しており、業界でも高い評価を受けています。
そのさくらインターネット様のカスタマーサポートにおいて、お客様との窓口の役割を果たすメールシステムに『エムアイ・メール』が採用され、2013年5月より運用がスタートしました。今回は、同社における『エムアイ・メール』の利用方法や、採用に至った経緯などについて、同社運用部カスタマーサポートチームのマネージャーを務める西村直也様と、運用部 IDCチームの高塚雄志様にお話を伺いました。

インタビューご担当者名:
運用部カスタマーサポートチーム マネージャー 西村直也氏
運用部 IDCチーム 高塚雄志氏

インタビュー日時:2013年08月28日

  • はじめに、御社ではどのような業務で『エムアイ・メール』を利用されているのか教えてください。

    高塚:カスタマーサポート宛てのお問い合わせメールや、Webサイトの問い合わせフォームからのお問い合わせなど、メールを使ったお客様とのやり取り全般で『エムアイ・メール』を利用させていただいています。

    送られてきたメールは一旦カスタマーセンターで内容を確認して、その上で担当者への振り分けを行います。カスタマーセンター以外で関連する主なチームや部署として、運用部のデータセンターチーム・技術チーム、営業部などがあります。

    例えばサービスの運用に関する具体的な対応内容の情報連携が必要な場合にはデータセンターチーム、技術的な調査や対応方針の検討が必要な場合には技術チーム、営業案件であれば営業部といった具合にメールを振り分けることで、各部署で対応が必要なメールを常にチェックできるようにしています。

    西村:直接のメール対応の他に、社内ではお客様の生の声を確認したいという要望もあり、『エムアイ・メール』を使う部署は当初の想定よりも大幅に増えました。現在は300近いオペレーターが登録されていて、社内全体で連携してメールの対応や閲覧ができる体制になっています。

  • 今回、エムアイ・メールを採用するに至った経緯を教えていただけますか?

    西村:『エムアイ・メール』を導入するまでは、通常のメールクライアントを使った運用によって個別にメールの対応を行っていました。簡単に言えば、一度カスタマーサポートでメールを受け取り、それを該当する担当者に転送するといったような方式です。しかしこの方式は単純なメールの転送なので、対応状況を体系的に管理・確認したり、お問い合わせ内容や対応内容などの統計を取ったりということができません。また、お問い合わせの件数が増加し、カスタマーサービスの重要性がより高まってきたことで、もっとメール全体を総合的に取り扱える仕組みの構築が急務になっていました。メールの対応漏れや二重対応などといった問題も発生していたので、そういった事故を未然に防止しなければならないという課題もありました。

    実際の採用にあたっては他社の同様のシステムとの比較検討も行ったのですが、その際に問題になったのが冗長性の確保です。弊社の場合、お客様からの依頼内容によっては24時間365日対応が必要なので、お客様からのメール受信を止めることができないという絶対的な要件があります。

    そのため冗長化による可用性の確保は不可欠だったのですが、『エムアイ・メール』以外は要件を満たすカスタマイズが難しかったり、カスタマイズできてもコストが高すぎてしまったりといった問題がありました。自社開発という選択肢も検討したのですが、やはりゼロから開発するためのコストや時間を考えると、パッケージ製品を導入した方が良いという結論になりました。

  • 具体的にはどのようなシステム構成になっているのでしょうか。

    高塚:WebサーバーとDBサーバーをそれぞれ2台ずつ、合計4台の構成で運用しています。Webサーバーの方はロードバランサを利用することにより2台で負荷分散を行っています。一方でDBサーバーの方はマスターとスレイブの構成で、スレイブ側をホットスタンバイ状態にしておいて、障害発生時に自動でサーバーが切り替わるようにしてあります。

    西村:冗長化に関しては、『エムアイ・メール』のソフトウェア的には特に変更は行っておらず、全てハードウェアやミドルウェアによるアーキテクチャで実現されています。もともと冗長化への対応が考慮された設計になっているためにソフトウェア的な対応は難しくなかったと聞いています。今回、ソフトウェアパッケージだけでなくハードウェア構成を含めて統合的にカスタマイズに応じていただけるという点も、『エムアイ・メール』採用のポイントになりました。

  • 実際に本稼働スタートするまでには、未創システムとの間でどのようなやり取りが行われましたか。

    高塚:基本的には、こちらから改修の要望を出して、未創システム様の方で対応していただき、ベータテストを行う、という手順の繰り返しです。改修の内容ですが、まず先ほど申し上げたように冗長化に関わる部分は特に重点を置いて対応していただきました。その他、ユーザインタフェースなどの使い勝手の部分についても様々な修正を入れてもらっています。例えば弊社の業務では案件ごとに割り当てる"案件番号"を社内でのやり取りに頻繁に利用するので、これをコピペしやすい位置に常に表示してもらうなどといった変更がありました。西村:全般的には非常に細かい部分でのカスタマイズが多かったように思います。今回は事故の防止という目的もあったので、弊社の業務では使わない機能を非表示にしてもらったり、権限によって表示/非表示の切り替えができるような仕組みを付け加えてもらったりもしました。

  • 実際に運用がスタートしてどのような感触を得ていますか?

    西村:全員で同じ情報を見ながら作業の進捗状況を管理できるようになったので、業務の効率は向上していると感じています。当初の狙い通り、対応時間の短縮や、対応漏れの防止、二重対応の防止にもつながっていますし、履歴が残せることで問題発生時にも適切な対処を施すことができます。日々の対応件数の実数値など、数値的な統計を取ることができるという点も、今後のアクションの目安になるので助かります。

    高塚:社内での評判も、新しいシステムの導入なので当初は戸惑いの声もありましたが、総合的には良い感触を得られていると感じています。使い方と合わせて導入の経緯や必要性をしっかりと説明したことで、現場のスタッフにも概ね好意的に受け入れてもらうことができました。

  • 最後に、『エムアイ・メール』に対する要望などがあれば聞かせてください。

    西村:『エムアイ・メール』には一斉配信の機能が用意されているので、これを活用したいという思いはあります。ただ、デフォルトの状態だと弊社の今の業務とはマッチしない部分があるので、うまい解決方法がないかと検討する必要があります。

    また、お客様からの問い合わせに対して社内で調査が必要な場合などに、誰が調査を担当しているのかなどの状況を具体的に把握できるような仕組みが欲しいと考えています。各スタッフが担当した調査件数などの統計も取れるといいですね。

    高塚:未創システム様の場合、このような要望に対して、カスタマイズの可否だけでなく応用的な使い方による代替案なども積極的にご提案していただけるので、弊社としても方針が決めやすく非常に助かっています。このスピード感が私どもとよくマッチしていて、お互いにいい形で仕事することができていると思っています。

    企業名
    さくらインターネット株式会社 (SAKURA Internet Inc.)
    設立
    1999年8月17日 (サービス開始: 1996年12月23日)
    所在地
    大阪市中央区南本町1丁目8番14号
    URL
    http://www.sakura.ad.jp/

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